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ラグビーの「トライ」はなぜ「トライ」と言う?

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ラグビーの「トライ」はなぜ「トライ」と言う?

ラグビーの得点ルールは複雑

素朴なラグビーの疑問に応える初心者講座。なぜラグビーの「トライ」は「トライ」なのか。

まず、兄弟スポーツであるサッカーと比較して考えてみます。サッカーの正式名称は「アソシエーション・フットボール」、ラグビーは「ラグビーフットボール」。同じフットボールなのです。

サッカーは単純明快。ボールを相手ゴール内に入れたら1得点。そしてその得点を「ゴール」と呼びます。

一方、ラグビーはルールが複雑です。ボールを掴んで走り込んで相手ゴールラインを越えてボールを接地させたら「トライ!」で5得点。その後のキックが成功すればさらに2得点追加。というのが現在のルールです。

2つの競技とも相手ボールを敵陣深くまで運ぶことで得点が与えられるということで、本質は似ていますが随分ルールが違います。

昔はトライしても1点も入らなかった!

驚くことに昔のラグビーでは、時には泥んこになり相手選手ともみ合いになりながら、やっとの思いで相手ゴールエリア内にボールを接地させても、そこでは「トライ!」と言われるだけで1点も入りませんでした。

次にボールを蹴ってゴールポストの内側を通過させることができたら、初めて得点が認められていたのです。昔のラグビーのルールは、トライした段階で「キック」に挑戦する機会が与えられるだけだったのです。キックが成功すれば得点が入りますが、もし、キックが失敗したら無得点です。どんなに難儀してトライを奪っても、その後のキックが運命を左右するなんて、こんな残念なことはありませんよね。

トライに至るまでの選手同士の生身のぶつかり合いは、見ていて迫力があるものです。しかし、それ以上に選手はチームのために激しいプレーを続けることに意義を感じているようです。これこそがラグビーの魅力であり、トライの価値です。現在はトライそのものに得点が入り、その後のキックはおまけになっている感じがします。

「トライ」は「試みる」と置き換えるとしっくりくる

いわば「トライ」はゴールキックへの挑戦きっぷという位置づけでした。その意味で言えば、「チャレンジ」という言葉に言い換えることもできますが、いちばんしっくりくるのは「試みる」という言葉でしょう。

「試みる」というのは、上手くいくかどうかわからないけど、試してみるという意味合いが強いので、ラグビーでもトライ後のキックはとても難しいものという位置付けだったに違いありません。つまり、トライまでの苦しいプレーは、入るかどうかわからないキックを試す権利にしかならなかったということです。

報われない苦しいプレーの連続に、ケガのリスクを抱えながら、ひたすら前に進もうとする屈強な男たちのドラマに人々が興奮するのも納得がいきます。この男たちの精神やプレーの興奮は、現代のラグビーにおいても受け継がれています。

トライの得点ルールの変遷

トライの価値は得点ルールの変遷にも表れています。1870年代にラグビーのルールが制定された当初は、トライでの得点が「0」でしたが、1890年にはトライそのものに得点「1」が認められ、その翌年1891年にはトライの得点が倍の「2」に増えました。それだけ、トライを得ることに大きな価値を見出した証拠です。

その後、1893年にはトライの得点が「3」に増え、得点ルールがひとまず固定されたのです。それから78年間トライの価値は得点「3」で続いていたのですが、第二次世界大戦前のルール詳細については、様々な記述があるため、憶測の域を脱しないものもあります。

正確な記録が残されている第二次世界大戦後の1948年から1970年までの間は、トライ得点が「3」にその後のキックによるゴール得点「2」が与えられていました。そして、1971年にルールの改正があり、トライの得点が「4」に増えたのです。トライ後のキック得点は「2」で変わりません。

この得点ルールは20年以上続き、1993年には現在の得点ルールであるトライ「5」トライ後のキック「2」となったのです。ちなみに、ドロップゴールやペナルティゴールの得点は1948年から変わらず「3」となっています。

アメフトは「タッチダウン」と言う理由

アメリカンフットボールも面白いスポーツです。ラグビーに似ていますが、より戦術を重視したスポーツで、スピードに乗ったプレーに魅力があります。アメリカンフットボールでは、ラグビーの「トライ」に該当する言葉は「タッチダウン」です。タッチダウンは接地するという意味ですから、ラグビーのトライシーンと同じ意味合いです。

しかし、ラグビーはボールそのものを接地させる必要があるのに対し、アメフトは、ボールが敵陣ゴールエリアの空間に入った時点で「タッチダウン」と認められます。「接地」するという意味合いのタッチダウンは、ラグビーにこそふさわしい言葉のような気がします。

そして、タッチダウンを奪う過程にもラグビーとの大きな違いがあります。ラグビーはボールを前方にパスすると反則ですが、アメフトは、前方にパスができるのです。敵陣のエンドゾーンでレシーバーがパスを受けるとタッチダウンで得点が入ります。また、ボールを持った選手が敵陣エンドゾーンに入るとそれもタッチダウンで得点が入ります。決して、ボールを接地させることが無いのにタッチダウンという言葉の不思議があります。

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